【映画を観ました】
『映画刀剣乱舞 ー黎明ー』を観ました。
いまから個人的に思ったことを徒然と書きますが、大前提としてこちらのサイトはこっそりしている「BLも扱う二次創作サイト」であることを前提にお読みください。この時点で駄目な方はさようなら。
またどこかで!
あと小狐丸さん過熱派です。映画では一場面も出ていないのに小狐丸さんが沢山出てくると思います。
ネタバレ注意!
ざっくりとした流れ
時は平安、大江山の酒呑童子討伐から物語は始まります。
摂関が藤原道長さんということは、この時代の帝は三条帝ですよね。つまりは小狐丸さんの余地はなしかー。などと思いつつ。あれ? でも酒呑童子は一条天皇の頃ともあります……。こうして小狐丸さんの影をちらつかせるのは心臓に悪いので止めてください!
源頼光さんたちが進軍していく中で登場、時間遡行軍。助太刀に入る三日月宗近一行。
ざっくり鬼退治という名目である山に暮らしていた人間の惨殺に加担してしまい、それに何か考えてしまう山姥切国広さん。途中で酒呑童子と化す人間によって桜になって消えてしまいます。
それを見ていた、珍しく何もできないでいた三日月宗近さんでしたが。
結局は2012年まで山姥切さんを一人で捜しに行ってしまいました。やっぱり報連相なしにこういうことをする。小狐丸さんに怒られるのでしょう。それとも理解してもらえるのでしょうか。
そういった流れで、審神者の系譜を持つかもしれない女の子、「琴音」ちゃんと出会って彼女を仮の主にして2012年で行動を開始する三日月宗近さんだったとさ。
面白かったところ
【三日月宗近ウインク!】
私の本丸の三日月宗近さんはウインクができない個体なので、この必殺技ができないかと思いますが、面白かったです。国宝展に入る時に「いやギターバッグを持っては無理でしょう」と思っていたら、必殺技三日月ウインク! により警備員さんの気を逸らさせるという。
三日月さんは必殺技が沢山増えていきます。
あとここで勝手に刀身を出して顕現するところも声を押し殺して笑いました。
【仮の主】
女子高生や、あまり好きな書き方ではないのですが「ギャル」や、いまいちうだつのあがらない公務員や京都の神職などに始まり、沢山の方が今作では刀剣男士の仮の主として登場しました。
そうかあ。こうして刀剣乱舞は現実とリンクしていくのかと感慨深くなりました。
私たちが審神者として認知されるために「誰もが審神者である」という可能性の世界を用意した。こういうメタ要素は製作会社のニトロさんの得意とするところですものね。
へし切長谷部さんの仮の主である実弦さんが強いなあと私は特に思いました。場を作ることができて、交流させられるのはすごい。コミュニケーション能力は大切。でも、神格としてはやっぱり京都の倉橋さんが一番かなと。唯一、極であった髭切さんと膝丸さん兄弟をこの時代に呼べたのもそちらが理由かしらなどと。
琴音ちゃんも良かったですね。あの三日月さんを連れて歩けるという時点ですごいことだなと思いました。私だったら怖くて仕方ありません。
【山姥切長義さん】
本当に「偽物くん」に振り回されていて毎回、切なくなります……。
刀剣乱舞一の苦労人は私の中で山姥切長義さんです。政府によるお仕事などでも大変そう。
三日月さんもね、自分の本丸の山姥切さんが大切なのはわかるけれどもう少し、あのお気遣いを……求める方が無茶でした、ごめんなさい。
地下執務室では格好良かったですよ、山姥切長義さん!
【三日月さんの仮の主と鶴丸さんの仮の主】
三日月さんの仮の主と鶴丸さんの仮の主が友人というのは面白すぎるでしょう。
【三日月さん報連相しない】
いつものことです。
ストーリー
綺麗にまとめたなあ、というのが正直なところです。
演出では派手さを保ちつつも、物語の流れは一直線で堅実に進めていきました。
三日月さんと琴音さん、山姥切さんと伊吹さんの対を中心にしながらも、周囲に東京の山姥切長義さん、京都の髭切さんと膝丸さんや福岡の長谷部さんなどを差し込む場面転換も自然で見事です。
テーマとしては「歴史の闇に葬られる存在」をどう扱えばいいのか、というこれまでの派生でも扱われていた題材を大切にしつつ。「審神者になりうる者」という新しいメタ次元を持ち込んだことも、観た価値がありました。
また、基本的に刀剣男士だけに焦点を当てるのではなく、「審神者」や「仮の主」が象徴する、守る力のあるものが何を守るべきか。また、守られている者も何をするべきか、というところを考えさせるクライマックスの「誰もが審神者になりうる」というところも大切だと思います。戦場に審神者がいたら危険であることを示されつつも、三日月さんが見つけられなかった伊吹さんを琴音さんが見つけたように審神者の支援も刀剣男士には欠かせません。
過酷な時代である現代だからこそ、輝くところでもあると思いました。
反論のご意見もあるでしょうが、基本的に私たちは国家という枠組みや政府にまだまだ守られているところも数多くあります。
現在の政府がしていること全てが必ずしも正しいとは限りませんが、少なくともいま守られているところに対してはこちらも果たさなければならない責任があるのではないかとついつい考えてしまいました。
エンタメとしても課題提起作としても面白い作品で良かったです。
気になったところ
【伊吹さん】
最初に名前を聞いた時に「伊吹童子」から取りましたよね? と思いました。ソースはありません。ただ伊吹童子さんは酒吞童子さんと関係がありますので、その辺りからかなと。でも伊吹山の酒呑童子ではなく、大江山の酒吞童子なのが少し謎。何かあるのかしら。
琴音ちゃんが今作の表の仮の主というのでしたら、裏の仮の主とでも言える方でした。山姥切さんの仮の主でもありましたし。
でもここで、中途半端な美談としてか、ヤングケアラーとして登場されるのは堪えました。この時代はまだ先述の単語があったのかはわかりませんし、少なくとも日本では一般的でなかったのですよね。
そういった歴史の闇、救われなかった箇所として表しているのかしら……と考えました。
【写真】
実弦さんがスマートフォンで写真を撮ったから時間遡行軍は消えたのかしら。
記録と記憶と史実と現実の矛盾ということで。
【兼さん】
ウィッグはもう少しなんとかなりませんでしたか……。
【小狐丸】
今作にも舞台にも出ていないよ! うん、知っています!
でも、三日月さんがこれほど刀剣乱舞の顔役であるのでしたら、同じイラストレーターさんが手がけて対の存在とも言える(どこでですか:デザインやミュージカルなどで)な小狐丸さんについて、小狐丸さん過熱派でしたら考えずにはいられまい。
舞台が平安ですのに、一条天皇の御代の可能性もあるのにちらりとも姿を現さないところがむしろ怪しい。あと映画とは関係ないのですが、刀帳一番が童子切安綱さんではなくて天叢雲剣=草薙の剣だとしたら小狐丸さんはさらに何かあるのですよね。小狐丸さんは天叢雲剣=草薙の剣に匹敵すると小鍛冶で言われていた刀ですし……!
なんでそんな考えに至ったのかというと、七星剣さんがお出まししたからですよ。
もういっそ、小狐丸さんはラスボスとして三日月さんと対峙してくれないかとすら夢見てしまいます。絶対に何かありますよー小狐丸さんー!
ここまでお付き合いありがとうございました!